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ロケーション・インテリジェンス事業を推進

「衛星知図」を売る

スペースアイズは、衛星画像を活用した位置情報のロケーション・インテリジェンス(LI)を提供する事業会社として、宇宙情報サービス事業会社CBMIの全額出資により2013年12月に誕生した。人工衛星が収集した画像情報と地上の精細な地図情報を組み合わせて位置情報をデジタル地図で表示するデジタル融合図システム「衛星知図」(Knowledge Geographic)を制作、販売するロケーション・インテリジェンス(LI)事業により、衛星画像情報サービスの新たなビジネスモデルを創出し、社会における宇宙利用の一翼を担う。

「衛星知図」の専門会社を設立

「インテリジェンスという言葉は、インフォメーションにプラスアルファの情報を付加した高度な情報群を指しますが、ビッグデータをオープンデータ化し、クラウドで利活用するデータ資本主義時代の到来で、多様なインテリジェンスの活用ニーズが高まってきています。位置情報系のインテリジェンスサービスもGPSが先鞭をつける形で始まっていますが、衛星画像を活用するロケーション・インテリジェンス(LI)は、これからが本番です」

こう切り出すのは、小野雅弘スペースアイズ代表兼CBMI社長だ。小野氏によると、CBMIはインターネットと衛星画像の統合システムを開発し、宇宙と地上からの情報を統合して地図にする技術(これを「衛星知図」(Knowledge Geographic)と称している)に強みを持っており、位置情報システムに衛星画像を活用するロケーション・インテリジェンス事業のキラーコンテンツとしての「衛星知図」を提供する事業サービス会社として、スペースアイズを設立したという。


LIの4事業分野に照準

スペースアイズのロケーション・インテリジェンス事業は、日々変化する顧客情報や施設情報、取引情報など、企業が所有する位置に関する情報を測定、比較・分析し、統合した結果をデジタル空間上に表現し、「衛星知図」として企業活動に活用するインテリジェンスサービスを提供する。

具体的には、海外衛星デジタル知図融合インテリジェンス、全地球衛星画像融合インテリジェンス、気象予報融合インテリジェンス、海外位置情報融合インテリジェンスとして商品化し、提供する(図1参照)。国内の気象・地震予報情報市場は約300億円、デジタル地図情報の国内市場規模は536億円、全地球衛星画像の国内市場は約
100億円とされ、少なく見積もっても、そのうちの数パーセントはロケーション・インテリジェンスの融合市場が見込まれる。

また、位置情報は準天頂衛星関連の国内市場が10兆円にのぼることから、「衛星知図」を利用する海外位置情報融合インテリジェンス需要は、そのうちの0・1%で100億円、0・08%でも80億円になる勘定だ。

このため、スペースアイズでは、海外位置情報融合インテリジェンスなどの4事業分野で、衛星知図+独自技術の融合により、ロケーション・インテリジェンスの国内需要に個別対応するとともに、観光業などからの海外需要に対応する成長戦略を描いている(図2参照)。


10業種で事業連携

「宇宙からの位置情報と地上の地図情報を組み合わせた当社のロケーション・インテリジェンス(LI)サービスは、銀行、保険などの金融業、観光業など個別の事業者のニーズに応える個別最適化を考えた事業モデルを設計し、対応していくことにしています。同時に、1事業分野1企業を原則として業務・資本提携を結ぶパートナーづくりを推進しています」(小野氏)という同社は、金融、物流、観光、不動産・建設、小売、保険、環境・エネルギー・気象、自動車・交通、通信、出版・メディアの10分野での事業連携を計画している。

LI市場はビッグデータを活用するデータ資本主義時代を迎えて、位置情報の活用による顧客・生活者向けサービスの進化が予想される。野村総合研究所の調査によると、2020年の東京オリンピック、自動車の自動走行技術の確立などの技術革新により、今後、ライフスタイルのパラダイムシフトが起こり、LIサービスの多様化と市場拡大が加速する見通しだ。


新たなビジネスモデルを創出

このため、スペースアイズでは、デジタル地図のリース販売、宇宙映像のエンターテインメント分野への応用サービスといった新事業を計画している。また、既に地図や衛星画像を利用している旅行、気象サービス、保険などの事業者に対して、全地球データを用いる「地図+独自技術」の付加価値サービスを提供するLIモデルの企画、開発を進めている。例えば、全地球データを独自に保有、管理しているノウハウを駆使して、保険商品を開発、設計するサービスなどを想定している。

スペースアイズは、CBMIによるJAXA・RESTEC系の衛星画像ALOS(だいち)データ販売代行の実績と業務・資本提携した地図情報データベースとの協業により、これまでの地図(Map)ではなく、生きた情報をリアルタイムに取り出せるデジタル衛星知図(KnowledgeGeographic)の提供によるLIサービスの差別化を図る。これにより、衛星利用の情報サービスで新機軸を打ち出す取り組みに拍車をかける。


※月刊ビジネスサミット2014年6月号より

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